卒業生からのメッセージ。
今回ご紹介する美大生は、
多摩美術大学グラフィックデザイン学科に在籍する
2年生の和田 伊真(わだ・いさな)さんです。
和田さんは、現在hamabiのデザイン工芸コース講師として、
後輩たちの実技指導に携わってくれています。
今回は多摩美術大学での作品制作や自主的に行っている活動、
予備校生時代に経験したことなどについて語っていただきました。
ライブハウスで展示したB1サイズのポスター作品。 会場の壁に和田さんの作品が飾られている。 幾何学図形と自由曲線による柔らかなイラストを織り交ぜた作品。 |
Q.いま、多摩美術大学のグラフィックデザイン学科では、どのような勉強をしていますか?
和田:
グラフィックデザイン学科では3年生からコースが分かれるので、その下準備としてグラフィックの幅広い分野(ポスター・イラストレーション・タイポグラフィ・立体デザイン)を勉強しています。有名な教授が沢山いるので講義を通してその人達のデザインの話や考えを聞けるのでとてもためになるし、自分のデザインの幅が広がる気がします。
BARとして使われている空間を、 ライブハウスとして使用。 アーティストたちの演奏がイベントを盛り上げる。 |
Q.展示風景(写真上)を見ると、いわゆるギャラリーでの個展や美術館での展覧会とは、随分違う雰囲気ですね。今回のイベントと、ポスター作品の内容について教えてください。
和田:
今回は展示会場での個展や展覧会というよりは、音楽、デザイン、ダンスなど様々なカルチャーの人達が繋がろうというコンセプトの企画イベントで僕はデザイン枠でポスターを制作しました。イベントの場所や雰囲気に合った物をという注文があったので何度もブラッシュアップして制作しました。役割としては雰囲気作りの為の一部だったんだと思います(笑)
ライブハウスで展示したB1サイズのポスター作品。 イベント名から山の頂上をイメージしデザイン。 |
Q.どのようなものからインスピレーションを受けて制作することが多いですか?
和田:
僕は幾何図形、自由曲線とガラクタやゴミで不思議な世界をつくる写真表現でポスターを作っています。昔から街に溢れるグラフィティやステッカーなどが好きです。特にごちゃごちゃした形というよりはシンプルな形で作られてるものが好きで平面作品だけでなく立体作品などからインスピレーションを受けたりします。あとは普段の生活の中で気になった物や現象からインスピレーションを受けます。
ライブハウスで展示したポスター作品。 大学の課題で撮影した写真を使い、イベントのイメージをポスターで表現。 |
和田 伊真 さん(わだ・いさな) |
Q.憧れのクリエイターや、目標にしていることは何ですか?
和田:
広告、ポスターではないですが吉岡徳仁さんが好きです。彼は空間デザインですが考えや目の付け所が魅力的で憧れます。あと現代美術集団のChim↑Pomが好きです。彼らは常に人を驚かせていく人達なので毎回作品を見るたびすごいと思います。いまの目標はポスターといった広告を主軸にその概念を覆すような物やコトをやっていきたいです。
Q.大学での勉強に、hamabiでの経験が活きていると感じることはありますか?
和田:
hamabiで学んだ色彩構成やデッサンは、そのまま大学の課題でも自主制作でも活かせています。グラフィックデザイン学科では2年生まで基礎課題として絵を描くので、培ったデッサン力はとても大きな助けになります。また広告物等のデザインをする時は、鍛えた構成力や発想法、バランス感覚などが自分の土台になってくれているので、そのまま制作へ進むことが出来ています。
和田さんは、いまはポスター作品を中心に制作中されていますが、
今後は立体物(パッケージデザインなど)の制作にも積極的に挑戦していくそうです。
頑張ってください!
ご活躍を楽しみにしています!
(インタビュー:2015年10月)